はて、本質

本を読んでいて、「ヴェールを剥がさないまま本質に触れる」って素敵な表現だと思った。

ふと。この時勢において、本質とはなにを意味するんだろうか。戦争やら死刑やら、特例によって殺人が許されている世界でどんな本質と向き合えるというのか。

ぼくはどんな音楽をつくろうとしているのだろうか。音楽が感覚へと直接的に働きかけるものであるとするならば、歌(歌詞)は間接的であるのが、ぼくにとってのマナーまたは品格のようなものにおもえるときがある。果てはスローガンに接近しかねないシンプルなメッセージは、その周辺の問いを見えにくくさせることが少なくない。その問いこそが僕にとっては重要に思える。それははっきりとしない、なにかよくわからない塊を美しくデザインすること。そしてそこには自ずと自分がもてる限りの良心が並走することが望ましい。それはとても難しく、できたためしがないけれど、一度きりの人生で、のんびりとでもトライする価値はある。

これらは何が正しいとかではなく、個人的な志向の話。

(2018.04.19)