録音物完了

 昨日でレコーディングの楽器を弾いて歌う作業、いわゆる録りものがすべて完了。毎度のことながら特にお祝いムードもなく、とても静かに幕を閉じた。最後に撮ったのはバンジョー。ブースの中で頭のなかのチェックシートを確認しつつ「じゃ、これで全部です」「おつかれさま〜」で終了。残すはミックスとマスタリングの作業で作品完成。

 曲と歌詞の制作をツアーと並行してこなし、そのまま録音に突入したので、いつも以上にスピード感のある作業。体力的には消耗した。常に眠い。腰も痛く、鼻炎も酷い。免疫が弱くなっている。

 ツアー中に歌詞を書くというのは今まで何度か試みて、その度にライブへの集中との両立が難しくなって失敗して来たことだったのだけれど、今回、うまくスイッチを切り替えることができるようになっていた。  そもそも、歌詞を作る作業というのは机に座っている作業時間とは比例しないものだ。歌詞をつけようとする音楽が何を言わんとしているかは、その音楽をつくった自分が普段何を考えて、何を思って、何を感じているかといういうことを蓄積として、ぼんやりとした塊として持っていないと聴こえてこない。その塊のようなものが今回はわかりやすかったということかもしれない。  もっとも初期に作っていた曲に一番苦戦したが、ここしかないという地点にしっかりと着地した。

 作り始めたものがあるべきところに着地するという確信は、ある程度長い経験上、なんとなくわかるようになってきた。あとは時間とエネルギーとの戦いだ。裏を返すと、今は自分の力の足りない部分も自ずとわかってくるということだ。