ミックスダウン終了

 今日、レコーディングしている作品のミックスダウンが終了。ほとんどはつつがなく進行したが、一曲だけやり直させてもらった。色々と細かい部分をチェックし、現場では悪い部分は一切ないし、これでいいんだと言い聞かせたものの、こんな曲だったっけか?なんとなくひっかかる気持ちで夜に聴き直していたところ原因が判明。音をどこにどんな風に配置するかで、時間の流れ方が変わる。その時間の流れは自分の頭のなかにしかないので、しっかりイメージできてないと難しい。ミックスっていうのはそれ自体が音楽的な行為だから気が抜けないことを再認識した。あとはマスタリングを残すのみ。

 昨夜、思いつきで、Twitterでフォロワーの方々の聴きたい曲の感じやその人の状況やらから想起する曲を募集しそれぞれ選曲するという広義のDJ行為を行った。  リアルタイムっていうのがラジオみたいでいいな、なんて軽い気持ちで、ふわふわ募ってお茶でも飲みながらのんびり選曲しようと考えていたら、ものの数分で80通以上もの勢いでリプライが来ていたので、これは身がもたないと即座に判断、すぐに締め切り、結果的には150以上(正確な数字は数えていないが170説あり)をそれぞれ選曲して、YouTubeのアドレスを個別に送り返した。かなり時間がかかって結局はぜんぜんリアルタイムにはならなかった。みんな夜にツイッターを見ているんだね、、、。  「疲れが吹き飛ぶ曲」「よく眠れる曲」など、栄養ドリンク/眠剤的な効能を求める声が多かった。困ったのは、「元気が出る曲」。僕はどんな種類であれ、それが音楽であれば元気が出てしまうのだが、それはちょっと求められている「元気」とはたぶん違うのだろうと推測し考えるのだが、その人にとって音楽のどの要素がトリガーになって元気がでるのかは、正直言って他人の僕にはわからない。聴きなれた曲だったりするんじゃないかとも思うのだけれど、そうなるとお役御免なので、恐る恐るで選んだ。アッパーな曲を選びがちになってしまったのは、勇気が足りない証拠だ。  おそらく100通を超えたあたりから頭が疲れてきてなかなか思いつくことが難しくなってきた。過去に聴いたすべての音楽を総動員しようとするが、うまく像を結ぶことができない。それでもそんなときにふっと思い浮かぶ曲、頭のなかの引き出しとして機能するのは、ここ数年で聴いた曲よりも一番音楽を吸収していた頃の、自分にとって聴きなれたというには聴きすぎた一部の音楽、言ってしまえば端的にJeff BuckleySonic YouthXTCだった。その三組の曲で、ほとんどのリクエストをカバーしてしまえるくらい、まずいずれかの曲が思い当たった。せっかくのDJでそれでは僕自身にとっても面白くないのでがんばってそれを超えるような他の音楽をその都度ひねり出したのだが、それほどまでにその3組が血肉となっていることを感じる出来事だった。

(201505115)